タイのチェンマイで年に1度開催されるコムローイ祭り。
ランタンが夜空を一斉に舞う光景がとっても幻想的なお祭りです。
ここでは、今話題の「コムローイ祭り」について
★ お祭りが生まれた起源
★ お祭りの歴史
★ 開催地チェンマイの魅力
など、お祭り前に知っておくとより楽しむことができる知識を簡単にご紹介しています。
コムローイ祭りについて、より興味を持っていただくキッカケになれば嬉しいです^^
それではさっそくチェックしていきましょう♩
目次
コムローイ祭りとは?
コムローイ祭りってどんなお祭りなの?まずはお祭りの概要と特徴について簡単にご紹介します!
コムローイ祭りってどんなお祭り?
コムローイ祭りは、年に1度タイのチェンマイで開催される仏教のお祭りです。
メインイベントでは、ブッタへの敬意を込めて「コムローイ」と呼ばれる熱気球(ランタン)に火を灯し、一斉に夜空に放ちます。
この熱気球(ランタン)を空に打ち上げる様子は、息をのむほどの美しさ。その幻想的な光景は、SNSやメディアなどでも話題となり、日本でもますます注目度が高まっています。
ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のモデルになったお祭り
幻想的なコムローイ祭りの光景は、あの有名なディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のモデルになったことでも知られています。
女性なら特に、ラプンツェルでの名シーンに魅せられて、コムローイ祭りに行きたくなった方も多いはず!ディズニーアニメをあまり見ない私も、ラプンツェルはしっかりチェックしました♩
コムローイ祭りの意味と由来は?
コムローイ祭りは、1年の終わりにコムローイ(ランタン)を空に打ち上げて、その年の収穫・豊作を祝う「収穫祭」としての意味を持つ行事です。ブッタへの感謝の気持ちを捧げ、コムローイ(ランタン)を天に放つのですね。
また全てのコムローイが空に打ち上げられた時、苦難も一緒に消え去ってくれると信じられているそうです。厄払いをして自らの罪や災いも解き放ち、魂を清めるといった意味もあるそうです。
コムローイ(ランタン)の由来はなに?
コムローイとは、天灯(てんとう)と呼ばれる熱気球のこと。この熱気球(コムローイ)は、昔は「通信手段」として使用されていたもので、それが現在のお祭りの由来となっています。
もともとは「通信手段」としての道具であった熱気球が、今では「ブッタへの感謝の気持ちを届ける手段」としての役割を担っているのですね。
コムローイ祭りを英語で書くと?英語表記のスペル(つづり)は?
コムローイ祭りは、英語で
「Khom Loi(Festival)」もしくは
「Khom Loy(Festival)」と表記します。
ちなみにコムローイの「コム(Khom)」はタイ語で「光」の意味、「ローイ(Loi)」は「浮く」といった意味があるそうです。なのでコムローイは直訳すると「光が浮く=光り輝く空飛ぶ灯篭」という意味なんですね。
またランタン、灯篭をコムローイと呼ぶのはタイ語の表現です。英語ではスカイランタン「Sky Lantern」と表現します。
コムローイ祭りの起源と歴史は?
つぎにコムローイ祭りの起源と歴史について簡単にご紹介します!
サンサーイ祭りとコムローイ
コムローイ祭りと言えば、熱気球(ランタン)を夜空に打ち上げる幻想的な光景が有名ですよね。このコムローイ(ランタン)を上げる習慣はチェンマイの「サンサーイ」というエリアで行われていた行事です。
その行事は「サンサーイ祭り」と呼ばれ、天のブッタに感謝の気持ちを捧げる目的で行われていました。コムローイ祭りは、この「サンサーイ祭り」が起源になるのですね。
サンサーイ祭りがロイクラトン(イーペン祭り)と融合
一方チェンマイでは、このサンサーイ祭りとは別の時期に「ロイクラトン(イーペン祭り)」も行われていました。この「ロイクラトン(イーペン祭り)」は現在もお馴染みの、灯篭(クラトン)を川に浮かべて水の精霊にお祈りをする灯籠流しの行事です。
やがて、それら2つのイベント「サンサーイ祭り」と「ロイクラトン(イーペン祭り)」が同じ時期に行われるようになりました。
そしてお祭りの名前も「イーペン・サンサーイ祭り」となったのです。
2つの伝統的行事から誕生したイーペン・サンサーイ
「ロイクラトン(イーペン祭り)」が川の恵みに感謝をし、灯篭を川に流す行事であるのに対し、「サンサーイ祭り」は天の仏様に感謝を捧げるためのお祭りです。
そして2つのお祭りが同じ時期に行われることになって生まれたのが「イーペン・サンサーイ祭り」でしたね。これが現在のコムローイ祭りの始まりです。
イーペン・サンサーイが外国人に大人気に
「イーペン・サンサーイ祭り」は読経や瞑想の時間があるなど、現地人による宗教色の濃いお祭りです。
しかしコムローイ(ランタン)の打ち上げがあまりにも美しかったため、仏教徒ではない宗教との関係のない観光客が殺到するようになりました。「イーペン・サンサーイ祭り」の主催者や仏教徒からすると、それはあまり好ましいものではなかったようです。
イーペン・ランナー・インターナショナルの誕生
そこで宗教的な意味合いを少なくし、観光客が気軽に参加できるイベントが新たにつくられることになりました。そうして誕生したのが、外国人向けのコムローイ(ランタン)の打ち上げイベント「イーペン・ランナー・インターナショナル」です。(これが現在のコムローイ祭り。)
「イーペン・ランナー・インターナショナル」では、「イーペン・サンサーイ祭り」と同じように外国人もコムローイの打ち上げができ、美しい光景が見られます。それが年々さらに人気が高まり、今に至っています。
コムローイ祭りは外国人向けと現地人向けに分かれて開催
このようにして、コムローイ祭りは2013年より、外国人向けのものと、ローカル・現地人向けのものの2つに分かれて開催されるようになりました。
外国人向けのものが「イーペン・ランナー・インターナショナル」、ローカル・現地人向けのものは「イーペン・サンサーイ」と呼ばれています。
しかし現在は「イーペン・サンサーイ」は開催されなくなってしまいました。またコムローイの一斉打ち上げのイベントは、今では「イーペン・ランナー・インターナショナル」だけではなく、年々イベントや会場の数も増えていっています。
また「イーペン・ランナー・インターナショナル」などのコムローイ一斉打ち上げのイベントに参加するためには、会場への入場チケットが必要になります。
チケットについての詳細はこちらの記事にまとめていますのであわせてご覧ください。
コムローイ祭りのあるタイのチェンマイってどんな場所?
さいごに、コムローイ祭りが行われるタイのチェンマイについて簡単にご紹介します。
タイ有数の観光地・古都
チェンマイはピン川のほとりに広がるタイ北部最大の都市。バンコクと並びタイを代表する人気の観光地です。
100を超える大小さまざまな寺院が残る古都で、伝統の手工芸品が今でも生産されています。寺院のほか、市場やナイトバザールも人気の見どころです。
独自の文化・伝統が残る芸術の街
チェンマイはモン族、ビルマ族など複数の民族が交流するなか発展し、寺院の建築様式や料理、工芸や服飾などのさまざま分野で独自の文化を築き上げました。
かつてこの地域一帯を治めたランナー王朝から由来し、その独自の文化は「ランナー文化」と呼ばれています。その特徴はビルマとタイの要素が融合した独自のスタイル。名物・特産品はタイシルク、タイコットン、木彫、漆器、銀製品などの伝統工芸品です。
また近年はタイ芸術の拠点としても知られています。伝統工芸品などの雑貨はチェンマイの定番のお土産にもなっています。
周辺の美しい山岳地帯と少数民族も魅力
チェンマイの周辺はタイ最高峰ドイ・インタインなどが連なる美しい山岳地帯。平野部よりも気温が低く避暑地としても人気があり、トレッキングツアーなどもたくさん行われています。
また、さまざまな少数民族が暮らす村を訪ねるツアーも人気です。時間に余裕があれば是非行ってみたいところですね。
コムローイ祭りの意味と由来、歴史と起源まとめ
昔は通信手段として利用されていたコムローイですが、今では感謝の気持ちを表現する手段として利用されているのですね。
コムローイ祭りはこのように人々の祈りの場、感謝の気持ちを伝える場としての大切な役割を担うお祭りなのです。
またコムローイ祭りは「サンサーイ祭り」が起源となり、その後「ロイクラトン(イーペン祭り)」と融合することで、現在のかたち「イーペン・サンサーイ」へと変化していきました。
コムローイ(ランタン)が夜空に放たれる光景ばかりに注目が集まり、それだけが取り上げられがちですが、実は本来は灯籠流しの儀式と同時に行われるようになった行事なのです。
この灯籠流しの儀式は今でもタイ全域で行われていて、タイ人にはとっても馴染みのあるものとなっています。
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さいごに
コムローイ祭りのような日頃の感謝の気持ちを表現する伝統文化って素敵ですよね^^ だからこそ、とっても美しくて幻想的な光景が生まれるのではないでしょうか。
お祭りの意味や歴史を知ると、より思い入れができて好奇心も深まります。
本来は地元の方たちだけで行われていた伝統的な行事に、私たち外国人も参加ができる機会ができたことは、とても有難い特別なことだと思っています。同時にそれは、私たち外国人もコムローイ祭りの新たな歴史を刻む役割を担っているということです。
地元の方たちはもちろん、彼らの歴史や伝統も尊重し、真心をもってお祭りに参加をしたいですね。