飛行機に乗るときに必ず行う手荷物の安全チェック。
ルールが複雑なので、何が持ち込みOKで何がNGなのか、荷造りをするときに迷ってしまいますよね。
特にトラブルになりやすい「モバイルバッテリー(携帯充電器)」については
と、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
空港で焦ったり困らなくてもいいように、事前にルールや制限について確認しておきたいところです。
そこでこの記事では、初心者でも安心して飛行機に乗れるように
★ 手荷物検査でNGにならないモバイルバッテリーの持ち込み方
★ 国際線に持ち込みできるモバイルバッテリーとできないものの具体例
★ 海外旅行用のモバイルバッテリーを選ぶときのポイント
などについてまとめています。空港に行く前に、一度確認しておいてくださいね。
それでは、さっそくチェックしていきましょう♩
※この記事では「国際線」のルールについてのお話をしていきますね。
「国内線」のルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
【国際線】飛行機にモバイルバッテリーを持ち込む時のルールとポイント
飛行機にモバイルバッテリーを持ち込むときのルールは、「国内線」と「国際線」によって、またバッテリーの種類(充電式か乾電池式か)によってそれぞれ異なります。
「国際線のルール」をざっくりまとめると、下記の表の通り。(細かい内容は後ほど解説していきますね。)
【充電式タイプの場合】
【乾電池タイプの場合】
※航空会社によって独自のルールや制限がある場合があります。また同じ航空会社でも、発着する国(路線)によってルールが異なる場合もあります。
【ポイント1】モバイルバッテリーは充電式と乾電池式ではルールが異なる
飛行機へモバイルバッテリーを持ち込む時のルールは、モバイルバッテリーのタイプ(充電式か乾電池式か)によってルールが異なります。
なのでまずは、バッテリーがどちらのタイプになるのかをチェックしてくださいね。
※リチウムイオン電池が使われているもの(機器本体に「リチウムイオン(Li-ion)」と表記があるもの)です。
② 乾電池式・・・乾電池を入れて使用するタイプのもの
【ポイント2】充電式のモバイルバッテリーは機内持ち込みのみOK、預け入れは全てNG
充電式タイプのモバイルバッテリーは、種類や個数にかかわらず、預け荷物(スーツケース)に入れることはできません。
預け入れは全面的に禁止されているので、充電式のバッテリーは全て機内(客室)に持ち込むようにしましょう。
ただし、機内に持ち込む場合でも、バッテリーの容量が大きすぎるものは持ち込みができなかったり、個数の制限があったりするので注意が必要です。
バッテリー容量の確認方法などの詳細は、後ほど説明していきますね。
【ポイント3】乾電池式のモバイルバッテリーは機内持ち込みOK、預け入れはNGの場合あり
乾電池タイプのモバイルバッテリーは、基本的には機内へ持ち込みOKです。
ただし預け入れについては、国や地域、航空会社によってルールが異なります。
(預け入れがOKの場合もあればNGの場合もあり)
詳しくは後ほど説明していきますね。
ポイントはざっくりと確認できたでしょうか?
不安や疑問を解消するために、下記で詳しく内容を確認していきましょう。
ここでは分かりやすくするために
① 充電式のモバイルバッテリー(コンセントで本体を充電するタイプ)
② 乾電池式のモバイルバッテリー(乾電池を入れて使用するタイプ)
の2つにわけて、それぞれのルールを説明していきますね。
ではまず、充電式タイプのルールから確認していきましょう!
充電式ではなく、乾電池タイプのルールを確認したい場合は、②乾電池タイプのルールからチェックしてくださいね。
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① 充電式タイプのルール
ここからは、充電式のモバイルバッテリー(コンセントで本体を充電するタイプ)のルールと注意点を見ていきましょう。
※充電式のバッテリーは、リチウムイオン電池が使われているもの(機器本体に「リチウムイオン(Li-ion)」と表記があるもの)です。
もう一度ルールを掲載しますね。
上の表のとおり、充電式タイプは預け入れは全てNG、機内(客室)にのみ持ち込みOKというルールになっています。
このとき確認しなければいけないのが、バッテリーの容量です。
充電式タイプのモバイルバッテリーは、その容量によって機内に持ち込みできるものと、できないものがあるからです。
なのでまずは、自分が持っている機器のバッテリー容量を確認しましょう。
また機内に持ち込むモバイルバッテリーは、短絡(ショート)を防止するための措置が必要になります。
この方法についても、後ほど詳しく説明していきますね。
ここまでのポイントをまとめると次のとおり。
◆ 充電式タイプは機内持ち込みのみOK、預け入れは全てNG
◆ 機内に持ち込む場合は、バッテリーの容量を確認する
◆ 短絡(ショート)防止のための措置をする
それでは順番に詳しく見ていきましょう!
まずは、バッテリー容量の確認方法から説明していきますね。
バッテリーの容量を確認する
バッテリー容量の確認方法はとってもカンタン!
機器本体に表記されている「Wh(ワットアワー)」という単位で書かれた数値を見ればOKです。
もし、本体に「Wh(ワットアワー)」の表記がない場合は、「mAh(ミリアンペアアワー)」という単位で書かれた数値がないかを確認しましょう。
「mAh(ミリアンペアアワー)」で書かれた数値があれば、簡単な計算で「Wh(ワットアワー)」が分かるので安心してくださいね。
(この記事では、あらかじめこちらで計算した数値を掲載しているので、特別な理由がない場合は改めて計算する必要はありません^^)
容量が100Wh(ワットアワー)以下の場合
容量が100Wh(ワットアワー)以下の場合は、基本的には個数の制限なく機内に持ち込みOKです。(預け入れはNG)
※ただし航空会社によっては、個数制限を設けている場合もあります。
(アシアナ航空・イベリア航空・ブリティッシュエアウェイズなど)
その場合は、個数制限をしっかり守った上で、機内に持ち込むようにしましょう。
また、持ち込みするモバイルバッテリーは、後ほど解説する「短絡防止の措置」も忘れずにしてくださいね。
100Wh(ワットアワー)は何mAh(ミリアンペアアワー)?
「Wh(ワットアワー)」の表記がない場合は、「mAh(ミリアンペアアワー)」の数値で判断しましょう。
一般的なモバイルバッテリーの場合
100Whは、計算すると約27027mAhになります。
つまり、約27027mAh(ミリアンペアアワー)以下のモバイルバッテリーであれば、機内に持ち込みOKということですね。
ほとんどの航空会社はこの数値でOKです。(計算方法が特に指定されていない場合)
ただし、タイ国際航空など一部の航空会社では、計算方法を別途指定していることもあります。
その場合は、100Whは27027mAhにならない場合もあるのでご注意ください。
(タイ国際航空では「定格電圧は5Vとする」という特別な指示があるので、この場合100Wh = 20000mAhになります。詳しくは下記のバッテリー容量の計算方法をチェックしてくださいね。)
参考:タイ国際航空「危険物について」
容量が100Wh(ワットアワー)を超えて160Wh(ワットアワー)以下の場合
容量が100Wh(ワットアワー)を超えて160Wh(ワットアワー)以下の場合は、多くの航空会社では1人につき2個まで機内に持ち込みOKです。(預け入れはNG)
個数制限を守った上で、後ほど解説する「短絡防止の措置」をしっかりして機内に持ち込みしましょう。
※ただし航空会社によっては、100Whを超えるモバイルバッテリーは持ち込みが禁止(または事前申請が必要)になるケースもあります。
(中華航空・エールフランス航空・エミレーツ航空など)
その場合は航空会社の許可がない限り、飛行機での輸送はできないのでご注意ください。
160Wh(ワットアワー)は何mAh(ミリアンペアアワー)?
「Wh(ワットアワー)」の表記がない場合は、「mAh(ミリアンペアアワー)」の数値で判断しましょう。
一般的なモバイルバッテリーの場合
160Whは、計算すると約43243mAh
また100Whは、計算すると約27027mAh
になります。
つまり、約27027mAh(ミリアンペアアワー)を超えて約43243mAh(ミリアンペアアワー)以下のモバイルバッテリーは、1人2個までなら基本的に機内に持ち込みOKということですね。
ほとんどの航空会社はこの数値でOKです。(計算方法が特に指定されていない場合)
ただし、タイ国際航空など一部の航空会社では、計算方法を別途指定していることもあります。
その場合は、160Whは43243mAhにならない(100Whも27027mAhにならない)場合もあるのでご注意ください。
(タイ国際航空では「定格電圧は5Vとする」という特別な指示があるので、この場合160Wh = 32000mAh、100Wh = 20000mAhになります。詳しくは下記のバッテリー容量の計算方法をチェックしてくださいね。)
参考:タイ国際航空「危険物について」
容量が160Wh(ワットアワー)を超える場合
容量が160Wh(ワットアワー)を超える場合は、個数に関係なく機内への持ち込みはNGです。
預け荷物に入れることもNGなので、飛行機に持ち込むことは諦めましょう。
160Wh(ワットアワー)は何mAh(ミリアンペアアワー)になるのか?については、すでに上記でお伝えしたので、ここでは省略しますね。
※市販されているスマホ用のモバイルバッテリーは、160Wh(約43243mAh)以下のものがほとんどです。
かなり大きなバッテリーでなければ、160Wh(約43243mAh)を超えることはないので、ほとんどの場合は気にしなくても大丈夫かと思います。
容量が不明なモバイルバッテリーは持ち込みNG
充電式タイプのモバイルバッテリーは、その容量によって機内に持ち込みできるかどうかが判断される、ということでしたね。
なので容量が不明なモバイルバッテリーは、その判断ができないため、機内へ持ち込むことができません。
機器本体に容量の表記がないもの(「Wh」や「mAh」の表記がないもの)は保安検査でNGになるので気をつけてくださいね。
海外では「Wh」の表記しか認められないこともある
ここで注意が必要なのが、海外では「Wh(ワットアワー)」の表記しか認められないケースがあるということです。
その場合、「mAh(ミリアンペアアワー)」しか表記されていないモバイルバッテリーは、「容量不明」と見なされて持ち込みできません。
つまり、「Wh(ワットアワー)」の単位で容量が表記されているものでなければ、機内に持ち込みできないということです。
特に中国の空港では、「Wh(ワットアワー)」の表記がないモバイルバッテリーは、規定を満たしていたとしても没収されてしまうことがあるようです。
中国へ旅行に行く、もしくは中国経由のフライトで海外へ行く場合はご注意ください。
その場合は「Wh(ワットアワー)」の表記があるモバイルバッテリーを必ず選ぶようにしてくださいね。
中国以外でも、同じようなケースが起こりえるため、海外にモバイルバッテリーを持っていく際は、なるべく「Wh(ワットアワー)」の表記があるものを選ぶと安心です。
主な航空会社のルール一覧
モバイルバッテリーの持ち込みルールを航空会社別にまとめると、このような感じです。
※同じ航空会社でも、発着する国(路線)によってルールが異なる場合もあるのでご注意ください。
航空会社 | 100Wh 以下 | 100Wh を超えて 160Wh 以下 |
160Wh を超える |
---|---|---|---|
JAL(日本航空) | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
ANA(全日空) | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
スカイマーク | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
ピーチ | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
ジェットスター・ジャパン | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
大韓航空 | ○(1人20個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
アシアナ航空 | ○(1人5個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
チェジュ航空 | ○(1人5個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
エアソウル | ○(1人5個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
ジンエアー | ○(1人5個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
チャイナエアライン (中華航空) |
○(1人20個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
中国東方航空 | ○(飛行中に使用する妥当な量に収めること) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
中国南方航空 | ○(飛行中に使用する妥当な量に収めること) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
香港エクスプレス航空 | ○(1人20個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
香港航空 | ○(1人20個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
キャセイパシフィック航空 | ○(1人20個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
シンガポール航空 | ○(1人20個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
スクート | ○(1人20個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
タイ国際航空 | ○(1人20個まで) ※100〜160Wh以下も含めて |
○ (1人2個まで) | × |
ベトナム航空 | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
ベトジェットエア | ○ | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
ユナイテッド航空 | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
デルタ航空 | ○(1人20個まで) ※100〜160Wh以下も含めて |
○ (1人2個まで) | × |
アメリカン航空 | ○(1人4個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
エアカナダ | ○(1人20個まで) ※100〜160Wh以下も含めて |
△ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
ルフトハンザドイツ航空 | ○(個人使用の数量に限る) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
エールフランス航空 | ○(1人20個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
オーストリア航空 | ○ | ○ (1人2個まで) | × |
イベリア航空 | ○(1人4個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
ブリティッシュエアウェイズ | ○(1人4個まで) | ○ (1人2個まで) | × |
フィンエアー (フィンランド航空) |
○ | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
エミレーツ航空 | ○(1人20個まで) | △ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
カタール航空 | ○(1人20個まで) ※100〜160Wh以下も含めて |
△ ※航空会社の許可が必要 (1人2個まで) |
× |
※最新の情報は変更になっている場合もありますので、ご利用の航空会社のHPもあわせて確認することをおすすめします。
航空会社のHPでルールを確認する時の注意点
モバイルバッテリーの持ち込みルールは、航空会社によって独自の規定を設けている場合があります。
また同じ航空会社でも、発着する国(路線)によってルールが異なる場合もあります。
そのため、利用する航空会社のホームページもあわせてチェックしておくと安心です。
(主な航空会社HPへのリンクは下記に掲載しているので、あわせてご利用ください。)
ホームページでモバイルバッテリーのルールを確認する際は、次の場所をチェックするようにしてくださいね。
「危険物」や「持ち込みに制限のある物」について書かれたページ内にある
・「モバイルバッテリー」についての項目
もしくは
・「リチウムイオン電池」についての項目内にある「予備電池」の欄
※モバイルバッテリーは、電子機器本体の扱いではなく「予備電池(他の電子機器に電力を供給する目的のもの)」としての扱いになります。
間違って電子機器本体のルールをチェックしないようにしてくださいね。
※充電式のモバイルバッテリーに使われている電池は、リチウムイオン電池になります。
(機器本体の側面や背面にバッテリーの規格が書かれているので、そこを確認すると「リチウムイオン(Li-ion)」と表記があるかと思います。)
【おまけ】バッテリー容量の計算方法(スルーしてもOK)
ここでは、モバイルバッテリーに表記されている「mAh(ミリアンペアアワー)」の単位を、「Wh(ワットアワー)」の単位に直す計算方法を、便宜上記載しています。
※モバイルバッテリー本体には「mAh(ミリアンペアアワー)」の単位しか表記されていないことが多いです。しかし、航空会社のホームページでは「Wh(ワットアワー)」の単位でルールが掲載されているため、このとき計算が必要になるのです。
この記事では、あらかじめこちらで計算した数値を掲載しているので、改めて計算する必要はないかと思いますが、参考までに計算式を記載しておきますね。
ルールのみ確認ができれば良い場合は、ここは完全にスルーしてOKです^^
一般的なモバイルバッテリーの場合
100Wh(ワットアワー)は、約27027mAh(ミリアンペアアワー)
160Wh(ワットアワー)は、約43243mAh(ミリアンペアアワー)
になります。
これは下記の計算式で導き出すことができます。
Wh(ワット時定格量)=V(電圧)× Ah(定格定量)
※モバイルバッテリー(リチウムイオン電池)の定格電圧は3.7 Vで計算(製品によっては3.6 Vのものもあり)
※Ah = mAh ÷ 1000
(モバイルバッテリーに書かれている電池容量は、ほとんど「mAh」という単位で書かれているので、「mAh」を「Ah」に直してあげましょう。)
よって
Wh = 3.7V × mAh ÷ 1000
また
mAh = Wh ÷ 3.7 × 1000
になります。
この計算式を使えば、モバイルバッテリーの「Wh(ワットアワー)」もしくは「mAh(ミリアンペアアワー)」のどちらか1つが分かれば、もう1つの数値も導き出すことができます。
※タイ国際航空では「定格電圧は5Vとする」と掲載されています。
その場合は
100Wh以下 = 20000mAh
160Wh以下 = 32000mAh
になります。
短絡(ショート)防止のための措置をする
次にここでは、モバイルバッテリーの短絡(ショート)防止措置について説明していきますね。
機内(客室)に持ち込みするモバイルバッテリーは、バッグの中で短絡(ショート)することがないように、きちんと対策しなければいけません。
具体的には、バッテリーの端子が金属(硬貨・鍵・アクセサリーなど)や他の電池類に接触しないように対策しておく必要があります。
端子が金属や他の電池類と接触すると、ショートする危険性があるからです。
※短絡(ショート)とは、プラスとマイナスの配線が直接つながれて電気抵抗が低くなることで起こる現象です。
短絡(ショート)が発生してしまうと、大きな電流が一気に流れることによって、モバイルバッテリーの故障や発熱、燃焼などが起こる原因になってしまいます。
これを防止するために、モバイルバッテリーを機内に持ち込みする時は、短絡(ショート)を防止する措置をとることが義務付けられているのです。
といっても、方法はとってもカンタン!
具体的にどのように対策すれば良いのか、下記でご説明していきますね。
短絡(ショート)防止の具体的な方法は?
短絡(ショート)は、次のような方法で防止することができます。
(どの方法を選んでもOKです。)
ビニール袋には他のものは入れず、モバイルバッテリーのみを入れるようにしてくださいね。バッテリーが2つ以上ある場合は、それぞれ分けて入れるようにします。
・専用のケースや保護ケースなどに個別に入れる
ケースには他のものは入れず、モバイルバッテリーのみを入れるようにしてくださいね。
・元の市販されていた商品パッケージに入れる
モバイルバッテリー購入時の商品パッケージがあれば、それに入れて持ち込みしてもOKです。
・端子部分(露出した電極)にテープを貼って絶縁する
セロハンテープやガムテープなどで端子を保護すればOKです。
衝撃&圧迫防止の対策も忘れずに!
モバイルバッテリーは、強い衝撃や圧迫を受けると、発火したり爆発したりするリスクがある機器になります。
そのため、モバイルバッテリーを持ち込むときは、なるべく飛行機の揺れによる衝撃を受けない形でバッグの中に入れるようにしましょう。
またバッグの中に重い物があるときは、バッテリーがその下敷きになって圧迫を受けることがないように、気をつけて入れるようにしてくださいね。
充電式のモバイルバッテリーはなぜ預け入れ禁止なの?
充電式のモバイルバッテリーは機内への持ち込みはOKですが、預け荷物に入れることは一切できない(預け入れは全面的に禁止)ということでしたね。
それには、バッテリーに使用されているリチウムイオン電池が関係しています。
このリチウムイオン電池は、強い衝撃や圧迫を受けると発火や爆発するリスクがあることで知られています。
実際に、飛行機の揺れによる衝撃が原因で発火した事故も過去に起きています。
そのため、モバイルバッテリーは飛行機では危険物として扱われ、何か異常があってもすぐに分かるように、人の目の行き届く機内(客室)への持ち込みが義務付けられているのです。
(機内で発火した場合はすぐに消火の対応ができますが、預け荷物の場合は迅速な対応ができないため)
また機内に持ち込む場合でも、安全面を考慮してバッテリーの容量や個数の制限が設けられているのですね。
誤って預け荷物に入れてしまった場合はどうなるの?
預け荷物(スーツケース)にモバイルバッテリーをうっかり入れてしまった場合はどうなるのでしょうか。
その場合は、預け荷物のセキュリティ検査でひっかかってしまいます。
その後の対応は国や空港によって異なり
・呼び出し&立会い検査を行う
もしくは
・勝手に荷物を開けられてモバイルバッテリーを破棄される
ことになってしまいます。
アナウンスでの呼び出しがある場合は、係員と一緒に立会い検査を行うことになります。
(この時モバイルバッテリーの持ち込みが認められれば、預け荷物から取り出して機内に持ち込みするように指示されます。)
ただし海外の場合は、呼び出しや立会い検査もないまま、勝手にスーツケースを開けられてモバイルバッテリーを破棄されてしまうこともあるので注意が必要です。
また運が悪いと、この時にモバイルバッテリー以外の物が盗まれてしまう事も海外では起こりえます。
特に国際線では、預け荷物にモバイルバッテリーを入れないようにすることは、防犯の意味でも重要になるので気をつけてくださいね。
保安検査のときは手荷物から出すことも忘れずに!
保安検査(手荷物検査)のときは、モバイルバッテリーはバッグから出して、別のトレーに入れるようにしましょう。
検査員によって容量や個数の確認が行われます。
その他、スマホやパソコン、タブレットなどの電子機器本体も、バッグから出して別のトレーに入れるようにしてくださいね。
充電式モバイルバッテリーのルールまとめ
✔︎ 充電式のモバイルバッテリーは預け入れは全てNG
(→ 機内への持ち込みのみOK)
✔︎ 機内(客室)への持ち込みは、バッテリーの容量によって制限が決められている
✔︎ バッテリー容量が100Wh(約27027mAh)以下の場合は、基本的に制限なく機内持ち込みOK
(→ ただし、航空会社によっては個数制限がある場合もある)
✔︎ バッテリー容量が100Wh(約27027mAh)を超えて160Wh(約43243mAh)以下の場合は、1人2個までの制限つきで機内持ち込みOK
(→ ただし、航空会社によっては持ち込みNGの場合もある)
✔︎ バッテリー容量が160Wh(約43243mAh)を超える場合は、個数に関係なく持ち込みNG
✔︎ 容量が不明なモバイルバッテリーは、機内に持ち込みできない
(→ 本体に「Wh〈ワットアワー〉」もしくは「mAh〈ミリアンペアアワー〉」の表記があるか確認する)
✔︎ ただし、海外では「Wh〈ワットアワー〉」の表記しか認められない場合もある
(→ 「mAh〈ミリアンペアアワー〉」しか表記されていないものはNGの場合あり)
✔︎ 充電式のモバイルバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されている。またモバイルバッテリーは「予備電池」の扱いになる
(→ 航空会社のHPなどを確認する際は、モバイルバッテリーについて書かれたページ、もしくはリチウムイオン電池について書かれたページ内の「予備電池」の項目をチェックする)
✔︎ モバイルバッテリーを機内に持ち込みする時は、短絡(ショート)防止のための措置をする
(→ プラスチック袋や保護ケースに入れる、テープを端子に貼って絶縁する、などの対策をとる)
✔︎ モバイルバッテリーは、強い衝撃や圧迫を受けないような形でバッグに入れる
✔︎ モバイルバッテリーを誤って預け荷物に入れてしまった場合は、検査員立会いのもと、別途荷物検査が必要になる
(→ ただし海外では、立会い検査がないまま勝手にモバイルバッテリーが破棄されてしまうこともある)
✔︎ 保安検査(手荷物検査)のときは、モバイルバッテリーはバッグから出しておく
② 乾電池タイプのルール
ここからは、乾電池式のモバイルバッテリー(乾電池を入れて使用するタイプ)のルールと注意点を見ていきましょう。
もう一度ルールを掲載しますね。
ポイントは次のとおり。
◆ 乾電池タイプは基本的に機内持ち込みOK
◆ 預け入れは、国や地域、航空会社によってNGの場合あり
◆ 予備の乾電池は短絡防止の対策をしておく
それでは詳しく見ていきましょう!
乾電池式のモバイルバッテリーは機内持ち込みOK、預け入れは要確認!
乾電池タイプのモバイルバッテリーは、基本的には機内(客室)へ持ち込みOKです。
ただし預け入れについては、国や地域、航空会社によって、独自のルールや制限を設けている場合があるので注意が必要です。
例えば下記の航空会社では、乾電池が入った機器または予備の乾電池は、預け入れが禁止されています。
機内への持ち込みのみ認められているので、間違って預け荷物に入れないように気をつけてくださいね。
・アメリカン航空
参考:制限品目
・エアカナダ
参考:危険品
・中国国際航空(エアチャイナ)
参考:危険物(英語)
・キャセイパシフィック航空
参考:統制品および禁制品
・エールフランス航空
参考:持ち込み・預け入れが可能なもの
・カンタス航空
参考:予備バッテリー(英語)など
※上記以外の航空会社でも、独自のルールや制限を設けている場合があります。
乾電池タイプのモバイルバッテリーを海外に持って行く場合は、利用する航空会社のホームページなどであらかじめ独自のルールがないかを確認しておきましょう。
予備の乾電池は短絡防止の対策をしておく
予備の乾電池(機器に入っていないもの)は、短絡(ショート)を防止する対策をしておきましょう。
具体的には、乾電池の端子部分(プラス極とマイナス極)が、他の電池類や金属類(硬貨・鍵・アクセサリーなど)に接触することがないように対策しておく必要があります。
端子が金属や他の電池と接触すると、ショートする危険性があるからです。
短絡(ショート)を防止する方法はとってもカンタン!
次のいずれかの方法で対策すれば大丈夫です。
新品の開封されていない乾電池は、そのままの状態でOKです。
・専用のケースや保護ケースなどに入れる
・ビニール袋(プラスチック袋)に個別に入れる
ビニール袋には他のものは入れず、乾電池のみを入れるようにしてくださいね。乾電池が2つ以上ある場合は、それぞれ分けて入れるようにします。
・端子部分(プラス極とマイナス極)にテープを貼って絶縁する
セロハンテープやガムテープなどで端子を保護すればOKです。
乾電池式モバイルバッテリーのルールまとめ
✔︎ 乾電池タイプのモバイルバッテリーは、基本的に機内へ持ち込みOK
✔︎ 預け入れは、国や地域、航空会社によってはNGの場合もある
(→ この場合は機内に持ち込むこと)
✔︎ 予備の乾電池(機器に入っていないもの)は、短絡防止の対策をしておく
(→ 端子部分が金属や他の電池に接触しないようにする)
海外旅行用のモバイルバッテリーを選ぶときのポイント
ここでは、これから新しく旅行用にモバイルバッテリーを購入する方に向けて、「ココをおさえておけば大丈夫!」という選び方のポイントをご紹介していきます!
自分のスマホ・携帯に対応しているものを選ぶことはもちろんですが、その他にも次のとおりポイントがあります。
・充電式タイプを選ぶ
・バッテリー容量が100Wh(約27027mAh)以下のものを選ぶ
・ただし、バッテリー容量が少なすぎるものは避ける
・本体にバッテリー容量「Wh(ワットアワー)」の表記があるものを選ぶ
・国の安全基準を満たした【PSEマーク】があるものを選ぶ
これらのポイントを満たしているオススメの商品を先にご紹介しておきますね。(モバイルバッテリーは品質が悪い商品も出回っているので、こちらの『Anker(アンカー)』のような信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう)▼▼
それでは、モバイルバッテリーを選ぶときのポイントを具体的に説明していきますね。
充電式タイプを選ぶ
モバイルバッテリーは、充電式(コンセントがついていて本体を充電するもの)と乾電池式(乾電池を入れて使用するもの)の2つのタイプがあるということでしたね。
これから新しく購入する場合は、充電式のモバイルバッテリーの方が旅行に便利でおすすめです。
充電式タイプは、一度充電しておくと長時間&複数回使えるので、外でスマホを使う機会の多い旅行中などは重宝します。
※充電式タイプのモバイルバッテリーは、海外の環境でも問題なく使用できるか(コンセントのプラグの形状や電圧が海外に対応しているか)なども確認しておきましょう。
コンセント形状が異なる場合は変換プラグ、電圧が対応していない場合は変圧器が別途必要になります。
一方、乾電池タイプの場合は、使用する乾電池の種類や本数にもよりますが、基本的にはフル充電(100%までの充電)&複数回の充電には不向きです。
(乾電池タイプのモバイルバッテリーは、電源コンセントが使えない災害時や緊急時などに重宝します。)
バッテリー容量が100Wh(約27027mAh)以下のものを選ぶ
海外に持って行くモバイルバッテリーを購入する場合は、容量が「100Wh(約27027mAh)以下のもの」を選ぶことをおすすめします。
モバイルバッテリーは、容量が「160Wh(約43243mAh)以下のもの」であれば、基本的には機内に持ち込みOKということでしたね。
しかし国際線の場合は、国や地域、航空会社や路線によって、より厳しい制限が設けられていることが多いので注意が必要です。
例えば下記の航空会社では、容量が100Wh(約27027mAh)を超えるモバイルバッテリーは、持ち込みが認められていない(または事前申請が必要になる)ようです。
・中華航空(チャイナエアライン)
参考:危険物情報
・中国東方航空
参考:リチウム電池の安全性について
・中国南方航空
参考:機内持ち込み手荷物(リチウム電池)
・エールフランス航空
参考:持ち込み・預け入れが可能なもの
・フィンランド航空(フィンエアー)
参考:機内持込制限品
・エミレーツ航空
参考:危険物について
・カタール航空
参考:制限のある手荷物など
※上記以外にも、独自の制限を設けている航空会社は多くあります。
そのため、国際線に持ち込みするモバイルバッテリーは、可能な限り100Wh(約27027mAh)以下のものを選ぶようにしましょう。
※ほとんどの場合は、100Wh(約27027mAh)以下であれば持ち込みOKですが、国や地域、航空会社や路線によってはさらに厳しい制限がある場合もあります。
今後も何度か海外へ行く予定の方は、制限の厳しい航空会社を利用する機会もあるかと思います。
あらかじめ、厳しい制限にも対応できるモバイルバッテリー(容量100Wh〈約27027mAh〉以下のもの)を購入しておくことをオススメします。
バッテリー容量が少なすぎるものは避ける
バッテリーの容量が少なすぎると、今度はフル充電(100%までの充電)ができなかったり、繰り返しの充電に対応できないなどの問題も出てくるので注意が必要です。
旅行用として使用するなら、少なくても37Wh(10000mAh)以上のものを選んでおくと安心です。
37Wh(10000mAh)だと、iPhoneやAndroidを2〜4回充電することが可能なので、旅行中での使用にも十分に対応できるかと思います。
本体にバッテリー容量「Wh(ワットアワー)」の表記があるものを選ぶ
モバイルバッテリーは、容量が不明な場合は飛行機に持ち込むことができません。
そのため、機器本体に容量の表記があるかどうかも、きちんと確認しておきましょう。
ここで注意が必要なのが、海外では「mAh(ミリアンペアアワー)」の表記しかないものは、持ち込みが認められないケースがあるということ。
つまり「Wh(ワットアワー)」の表記があるものでなければ、機内に持ち込みできないということです。
繰り返しになりますが、特に中国では「Wh(ワットアワー)」の表記がないモバイルバッテリーは、規定を満たしていたとしても没収されてしまうことがあるようです。
モバイルバッテリーには、本体に容量の表記があっても、「mAh(ミリアンペアアワー)」の単位でしか表記されていないものも多くあります。
中国に旅行に行く、または中国経由で海外旅行に行く際は、「Wh(ワットアワー)」の表記があるモバイルバッテリーを必ず選ぶようにしてくださいね。
直近で中国へのフライト予定がない場合でも、今後も海外へ行く可能性が高い場合は、「Wh(ワットアワー)」の表記があるものを最初から購入しておくと安心です。
国の安全基準を満たした【PSEマーク】があるものを選ぶ
モバイルバッテリーを購入するときは、PSE認証済みのもの(PSEマークがあるもの)を選びましょう。
PSEマークとは、国内の安全基準を満たした電気用品に表記されるマークです。
モバイルバッテリーは、このPSEの取得が義務付けられているため、マークがない商品は国の安全基準を満たしていないということで、現在は製造・販売が禁止されています。
モバイルバッテリーは、PSEマークのある信頼できる商品を選ぶようにしてくださいね。
モバイルバッテリーは機内で使用してもOK?
機内(客室)に持ち込みしたモバイルバッテリーは、フライト中も使用することができるのか気になりますよね。
通常のモバイルバッテリーは、スマホやパソコンとは違い「電波を発信しない機器」になります。
なのでモバイルバッテリー自体は、フライト中でも特に制限なく使用できるのが一般的です。
ただし航空会社によっては、機内でのモバイルバッテリーの使用を禁止していることもあるので注意が必要です。
例えば、チャイナエアライン(中華航空)や中国南方航空では、フライト中のモバイルバッテリーの使用を禁止しています。
このような場合は、機内でモバイルバッテリーを使った充電はできないので気をつけてくださいね。
参考:チャイナエアライン(中華航空)
参考:中国南方航空
※またスマホやパソコンは「電波を発信する機器」になるので、フライト中は電源をオフにする、もしくは機内モードに設定するなどして、電波を発信しない状態にしなければいけません。
【国際線】モバイルバッテリーの持ち込みルールまとめ
✔︎ モバイルバッテリーは充電式と乾電池式ではルールが異なる
✔︎ 充電式のモバイルバッテリーは預け入れは全てNG
(→ 機内への持ち込みのみOK。ただしバッテリーの容量によって制限がある)
✔︎ 容量が不明な充電式モバイルバッテリーは、機内に持ち込みできない
(→ 本体に「Wh〈ワットアワー〉」もしくは「mAh〈ミリアンペアアワー〉」の表記があるか確認する)
✔︎ ただし海外では「Wh〈ワットアワー〉」の表記しか認められない場合もある
(→ 「mAh〈ミリアンペアアワー〉」しか表記されていないものはNGの場合あり)
✔︎ 充電式モバイルバッテリーを機内に持ち込みする時は、短絡(ショート)防止のための措置をする
(→ プラスチック袋や保護ケースに入れる、テープを端子に貼って絶縁する、などの対策をとる)
✔︎ 乾電池タイプのモバイルバッテリーは、基本的に機内へ持ち込みOK
✔︎ ただし乾電池タイプの預け入れは、国や地域、航空会社によってはNGの場合もある
(→ この場合は機内に持ち込むこと)
✔︎ 予備の乾電池(機器に入っていないもの)は、短絡防止の対策をしておく
(→ 端子部分が金属や他の電池に接触しないようにする)
✔︎ 旅行用としてモバイルバッテリーを購入する際は、充電式タイプが便利
(→ バッテリー容量が少なすぎるものは不便なので避ける)
✔︎ 充電式モバイルバッテリーを購入する際は、国の安全基準を満たしたPSEマークがある物を選ぶ
✔︎ モバイルバッテリーは、フライト中も基本的には機内で使用することができる
(→ ただし航空会社によっては、機内での使用を禁止していることもある)
✔︎ 国や地域、航空会社や路線によっては、独自のルールや制限を設けていることもある。また海外の場合は、日本より厳しい制限があることが多いので注意する
(→ 利用する航空会社のホームページなどを確認すること)
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さいごに
飛行機に持ち込むことのできる手荷物や預け荷物については、機内の安全性や快適性を維持するために細かくルールが決められています。
たとえ使い慣れたものだとしても、飛行機という特殊な環境下では危険物になってしまうことも。
持ち込めないものはその場で放棄するか、別の手段で送ることになるなど手間がかかってしまいます。
せっかくの旅行を台無しにしないためにも、「持ち込めないもの」をあらかじめ確認することが大切です。
飛行機を利用する私たち一人ひとりが手荷物のルールをきちんと守ることで、スムーズな搭乗手続きができるように心がけたいですね。
※機内持ち込み手荷物・預け荷物の制限については、随時変更が加えられます。最新の情報はご利用の航空会社や国土交通省からの情報を確認することをおすすめします。