飛行機に乗るときに必ず行う手荷物の安全チェック。
ルールが複雑なので、何が持ち込みOKで何がNGなのか、荷造りをするときに迷ってしまいますよね。
特に「スプレー缶(高圧ガスの入った鉄製の容器のスプレー)」については
と、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
空港で焦ったり困らなくてもいいように、事前にルールや制限について確認しておきたいところです。
そこでこの記事では、初心者でも安心して飛行機に乗れるように
★ 機内(客室)に持ち込みできるスプレー缶とできないものの具体例
★ 手荷物検査でNGにならないスプレー缶の持ち込み方
★ 預け荷物(スーツケース)に入れてOKなスプレー缶とNGなもの
などについてまとめています。空港に行く前に、一度確認しておいてくださいね。
それでは、さっそくチェックしていきましょう♩
※この記事では「日本国内線」のルールについてのお話をしていきますね。
「国際線」のルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
また、
機内持ち込みのルールのみ確認したい場合は、別記事の「機内に持ち込みOKなスプレー缶まとめ」
預け入れのルールのみ確認したい場合は、別記事の「預け入れOKなスプレー缶まとめ」
をご確認くださいね。
目次
【国内線】飛行機にスプレー缶を持ち込む時のルールとポイント
飛行機にスプレー缶を持ち込むときのルールは、「国内線」と「国際線」によって、またスプレー缶の種類によってそれぞれ異なります。
「国内線のルール」をざっくりまとめると、下記の表の通り。(細かい内容は後ほど解説していきますね。)
※航空会社によって独自のルールや制限がある場合があります。
・預け荷物・・・チェックインカウンターで預ける大きな荷物(スーツケースなど)
スプレー缶の持ち込み&預け入れ時のチェックポイント
上記で簡単にまとめてみましたが、スプレー缶のルールについては規定が細かいので
「具体的にどのように判断すればいいの?」
「どのような基準で決められているの?」
と思う方も多いはず。
でも大丈夫!
下記の順番にポイントをチェックしていけばスプレー缶の持ち込み&預け入れも問題ありません^^
チェックするべきポイントは次のとおり。
→持ち込みや預け入れがOKな種類か?を確認する
ポイント2) 次にスプレー缶の容量をチェック
→持ち込み・預け入れできる上限量を超えていないか?を確認する
それでは順番に説明していきますね。
ポイント1)スプレー缶の種類を確認する
ではまず、【スプレー缶の種類】について詳しく見ていきましょう!
自分の持っていきたいスプレー缶が、機内(客室)に持ち込みOKな種類か、または預け荷物(スーツケース)に入れてもOKな種類かを確認してくださいね。
飛行機のルール上では、スプレー缶は次の4つの種類に分類されます。
② 医薬品・医薬部外品
③ 日用品
④ スポーツ用品
それぞれがどのようなものか?については、後ほど解説していきますね。
そして
機内に持ち込みOKなものは
② 医薬品・医薬部外品
(※航空会社によってルールが異なる場合もあります。)
預け荷物に入れてもOKなものは
① 化粧品
② 医薬品・医薬部外品
③ 日用品(※ただし毒性や腐食性、引火性がないものに限る)
④ スポーツ用品(※ただし毒性や腐食性、引火性がないものに限る)
(※航空会社によってルールが異なる場合もあります。)
そして①〜④以外のスプレー缶は、機内持ち込みも預け荷物もNGなもの、つまり飛行機に一切持ち込めないものになります。
それでは、それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。
機内に持ち込みOKなスプレー缶について
機内(客室)に持ち込みしてOKなスプレー缶は
② 医薬品・医薬部外品
のスプレー缶でしたね。
つまり「化粧品」「医薬品・医薬部外品」以外のものは、機内には持ち込みできないということになります。
(※航空会社によってルールが異なる場合もあります。)
その場合は預け荷物(スーツケース)に入れられるかを確認してくださいね。
ここで疑問になるのが
「化粧品や医薬品・医薬部外品のスプレー缶ってどんなもの?」
「どうやって判断するの?」
ということだと思います。
下記で詳しく説明していきますね。
「化粧品」「医薬品・医薬部外品」のスプレー缶とは?
「化粧品」や「医薬品・医薬部外品」のスプレー缶は、肌や髪、身体に直接つけて使うものになります。
つまり、直接肌につけて使うものは機内(客室)へ持ち込みOKですが、肌につけずに使用するスプレー缶は全て、機内への持ち込みがNGになります。
(※航空会社によってルールが異なる場合もあります。)
簡単に言うと「人」に向けて使うものは機内持ち込みOKで、「モノ」に向けて使うものは機内持ち込みNGということですね。
具体的には、下記のようなものが「化粧品」や「医薬品・医薬部外品」のスプレー缶(=機内持ち込み可能なもの)になります。
・美容スプレー、美白スプレー
・日焼け止めスプレー
・ヘアスプレー、ヘアムース(ケープ、VO5など)
・育毛スプレー、育毛ムース
・シェービングフォーム
・虫さされ、かゆみ止めスプレー、虫除けスプレー(部屋用の蚊取りスプレーはNG)
・消炎鎮痛スプレー
・身体用の消臭スプレー、芳香スプレー
・制汗スプレー、清涼スプレー、冷却スプレー(8X4など)
・身体用の除菌スプレー、消毒スプレー
など
※ただし、最終の判断は現場の保安検査官にゆだねられます。検査官の判断により「持ち込み不可」となった場合は、その指示に従いましょう。
またスプレー缶を持ち込む時は
「キャップが付いていること(噴射弁が押されないように保護すること)」
が条件になります。
規定では「偶発的に中身が漏れるのを防ぐためキャップなどで噴射弁を保護してあること」が条件として記載されています。
つまり、カバンの中などでスプレー缶の弁が勝手に押されてしまうことがないように、対策しておく必要があるのです。(キャップはそのために必要になります。)
通常スプレー缶にはキャップがついていると思うので、忘れないようにキャップも一緒に持っていきましょう。
参考:国土交通省「機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例」
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預け荷物に入れてもOKなスプレー缶について
預け荷物(スーツケース)に入れてもOKなスプレー缶は
① 化粧品
② 医薬品・医薬部外品
③ 日用品(※ただし引火性・毒性・腐食性がないもの)
④ スポーツ用品(※ただし引火性・毒性・腐食性がないもの)
のスプレー缶でしたね。
ここでも「化粧品」と「医薬品(医薬部外品)」のスプレー缶が出てきましたが、この2種類のスプレー缶のみ、機内(客室)への持ち込みと預け荷物(スーツケース)の両方がOKということになります。
(※航空会社によってルールが異なる場合もあります。)
また「日用品」「スポーツ用品」のスプレー缶については、預け荷物に入れる場合のみOKですが、毒性や腐食性があるものや、引火性のガスが使用されているものはNGになります。
(その場合は飛行機には持ち込みできないので、渡航先に持っていくことは諦め、到着後に現地で購入するようにしましょう。)
ここで気になるのが
「日用品やスポーツ用品のスプレー缶ってどんなもの?」
「引火性ガスが使われているかどうかって何で確認するの?」
「毒性や腐食性があるスプレー缶ってどんなもの?」
ということだと思います。
下記で詳しく説明していきますね。
※「化粧品」「医薬品(医薬部外品)」のスプレー缶がどんなものか?についてはすでにお伝えしているので、ここでは省略しますね。
「日用品」「スポーツ用品」のスプレー缶とは?
「日用品」「スポーツ用品」のスプレー缶は、一般的に肌や髪、身体以外に使うものになります。
具体的には次のようなもの。
・防水スプレー
・静電気防止スプレー
・滑り止めスプレー
・スキーやスノボ用のワックススプレー
・衣類用のスプレーのり
・シワ取りスプレー
・部屋用・衣類用などの除菌・消臭・芳香スプレー
など
※ただし預け荷物(スーツケース)に入れられるのは「引火性ガスが使用されていないもの」「毒性や腐食性がないもの」が前提条件
またスプレー缶を預ける時は
「キャップが付いていること(噴射弁が押されないように保護すること)」
が条件になります。
規定では「偶発的に中身が漏れるのを防ぐためキャップなどで噴射弁を保護してあること」が条件として記載されています。
つまり、スーツケースの中などでスプレー缶の弁が勝手に押されてしまうことがないように、対策しておく必要があるのです。(キャップはそのために必要になります。)
通常スプレー缶にはキャップがついていると思うので、忘れないようにキャップも一緒に持っていきましょう。
参考:国土交通省「機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例」
引火性ガスが使われているかを確認する方法は?
「日用品」や「スポーツ用品」のスプレー缶であっても、引火性のガスが使用されたものは預け荷物(スーツケース)に入れることはできません。
そこで重要なのが、スプレー缶に引火性ガスが使用されていないことを、あらかじめ確認することです。
確認方法はとっても簡単。スプレー缶本体の表示を見れば確認できます。
引火性のガスが使用されているスプレー缶には、商品に『火気注意』や『火気厳禁』『火気と高温に注意』などの表示がされています。
分かりやすく言うと、『火気』という言葉が使われていれば「引火性あり」ということ。
一方『高温に注意』といった表示がされているスプレー缶は、引火性のガスは使用されていません。
『火気』という言葉が使われていない場合は「引火性なし」ということです。
つまり
『火気』という表示があるものは、引火性があるので預け荷物(スーツケース)に入れることはNG
『火気』という表示がないものは、引火性はないので預け荷物(スーツケース)に入れてもOK
ということになります。
※ただしこれは「日用品」「スポーツ用品」のスプレー缶に適用されるルールです。
「化粧品」や「医薬品・医薬部外品」のスプレー缶については、引火性のガスが使用されているもの(『火気』という表示があるもの)でも、機内持ち込み・預け入れともにOKです。
毒性や腐食性のあるスプレー缶とは?
「日用品」や「スポーツ用品」のスプレー缶であっても、毒性や腐食性のあるものは預け荷物(スーツケース)に入れることはできません。
毒性や腐食性のあるスプレー缶は、次のようなものになります。
・殺虫剤(キンチョール、虫コロリアースなど)
・農薬のスプレー
・塗料スプレー
・ニス
など
上記のようなスプレー缶は危険物に該当するため、預け荷物に入れることはできません。
機内(客室)への持ち込みもNGなので、飛行機での旅行に持って行くことは諦めましょう。
機内持ち込みも預け荷物もNGなスプレー缶
最後にここでは、機内(客室)への持ち込みも預け荷物(スーツケース)に入れることも禁止されているもの、つまり飛行機には一切持ち込むことができないスプレー缶についてご紹介します。
ここまででご紹介した
① 化粧品
② 医薬品・医薬部外品
③ 日用品(※引火性・毒性・腐食性がないもの)
④ スポーツ用品(※引火性・毒性・腐食性がないもの)
以外のスプレー缶は、全て持ち込み&預け入れNGになります。
例えば次のようなもの。
・引火性ガスが使用されたスプレー缶(「化粧品」と「医薬品・医薬部外品」は除く)
・毒性・腐食性ガスが使用されたスプレー缶
・酸化性物質が使用されたスプレー缶
・その他高圧ガスが使用されたスプレー缶
下記で具体的を掲載しておきますね。
・殺虫剤(キンチョール、虫コロリアースなど)
・農薬のスプレー
・塗料スプレー
・その他の工業用スプレー
・スポーツ用の酸素スプレー
・小型酸素発生器
・漂白剤
・カセットコンロ用のガス缶
・キャンプ用のガス缶
・ライター用の補充ガス缶
など
このようなスプレー缶は、飛行機には一切持ち込むことはできません。
ポイント2)スプレー缶の容量を確認する
スプレー缶の種類の確認ができたら、次は【スプレー缶の容量】をチェックしましょう。
持ち込みや預け入れがOKなスプレー缶であっても、持ち込み・預け入れできる量には制限があるので注意が必要です。
スプレー缶を機内(客室)に持ち込みする場合と、預け荷物(スーツケース)に入れる場合のそれぞれに分けて説明していきますね。
機内(客室)に持ち込みできるスプレー缶の容量は?
機内(客室)に持ち込みOKなスプレー缶の種類は
① 化粧品
② 医薬品・医薬部外品
の2種類でしたね。
これらのスプレー缶はすべて、下記の条件で持ち込みが可能です。
・500ml(500g)以下の容器に入っていること
・複数個ある場合は、すべて合わせて合計2000ml(2000g)以下であること
「すべて合わせて2000ml(2000g)以下」ということなので、1個あたりが500ml(500g)以下であれば、2個以上持ち込むことも可能です。
ただし、すべての個数を合わせた容量が2000ml(g)を超えないようにしましょう。
※2000ml(g)とは、機内に持ち込む分だけでなく、預け荷物(スーツケース)に入れる分も合わせた合計になります。
さらに、スプレー缶以外にも化粧品や医薬品などがある場合は、それらも合わせて2000ml(g)以下になるようにしましょう。
化粧品や医薬品などの持ち込みルールについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。(「持ち込み量に上限がある液体物」の項目に、化粧品や医薬品類についてまとめています。)
※また、国内線を利用後に国際線に乗り継ぎをする場合は、乗り継ぎ便では国際線のルールが適用されます。詳しくは国際線のルールを確認してくださいね。
国際線の場合は、液体物の機内持ち込みに制限がありますが(国際線では100ml以下の液体物のみOK)、日本国内線の場合はこのルールは適用されません。
なので、スプレーなどの液体物であっても、100ml以下の容器に入れたり、透明なプラスチック袋に入れたりする必要もなく、機内への持ち込みが可能です。
預け荷物(スーツケース)に入れられるスプレー缶の容量は?
預け荷物(スーツケース)に入れてもOKなスプレー缶の種類は
① 化粧品
② 医薬品・医薬部外品
③ 日用品(※引火性・毒性・腐食性がないもの)
④ スポーツ用品(※引火性・毒性・腐食性がないもの)
の4種類でしたね。
これらのスプレー缶はすべて、下記の条件で預け入れが可能です。
・500ml(500g)以下の容器に入っていること
・複数個ある場合は、すべて合わせて合計2000ml(2000g)以下であること
「すべて合わせて2000ml(2000g)以下」ということなので、1個あたりが500ml(500g)以下であれば、2個以上預けることも可能です。
ただし、すべての個数を合わせた容量が2000ml(g)を超えないようにしましょう。
※2000ml(g)とは、預け入れする分だけでなく、機内(客室)に持ち込む分も合わせた合計になります。
さらに、スプレー缶以外にも化粧品や医薬品などがある場合は、それらも合わせて2000ml(g)以下になるようにしましょう。
化粧品や医薬品などの預け入れルールについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。(「預け入れに制限がある液体物」の項目に、化粧品や医薬品類についてまとめています。)
▶︎▶︎液体物の預け入れルールまとめ
【国内線】スプレー缶の持ち込み・預け入れのルールまとめ
✔︎ スプレー缶の飛行機への持ち込みは、スプレーの種類によってルールが異なる
✔︎ 機内(客室)に持ち込みできるスプレー缶は「化粧品」「医薬品(医薬部外品)」に該当するもののみ
✔︎ 預け荷物(スーツケース)に入れられるスプレー缶は、「化粧品」「医薬品(医薬部外品)」➕「日用品」「スポーツ用品」に該当するもの
(→ ただし「日用品」「スポーツ用品」の場合は、毒性や腐食性のないもの、引火性ガスが使用されていないものに限られる)
✔︎ 機内持ち込み・預け入れできるスプレー缶は、「キャップが付いていること」が条件
(→ 噴射弁が押されないように保護をする)
✔︎ 「機内に持ち込みOKなスプレー缶」「預け入れOKなスプレー缶」以外のものは、飛行機には一切持ち込むことはできない
✔︎ 機内持ち込み、預け荷物にできるスプレー缶の量には制限がある
(→ 機内持ち込み、預け荷物とも共通で、① 500ml(500g)以下の容器に入っていること ② 1人あたり合計2000ml(2000g)以下であることが条件)
✔︎ 国内線から国際線に乗り継ぎをする場合、乗り継ぎ便では国際線のルールが適用される
(→ 国際線のルールを確認すること)
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さいごに
飛行機に持ち込むことのできる手荷物や預け荷物については、機内の安全性や快適性を維持するために細かくルールが決められています。
たとえ使い慣れたものだとしても、飛行機という特殊な環境下では危険物になってしまうことも。
持ち込めないものはその場で放棄するか、別の手段で送ることになるなど手間がかかってしまいます。
せっかくの旅行を台無しにしないためにも、「持ち込めないもの」をあらかじめ確認することが大切です。
飛行機を利用する私たち一人ひとりが手荷物のルールをきちんと守ることで、スムーズな搭乗手続きができるように心がけたいですね。
※機内持ち込み手荷物・預け荷物の制限については、随時変更が加えられます。最新の情報はご利用の航空会社や国土交通省からの情報を確認することをおすすめします。